特集 自然と環境の読書案内

神々の食


著者:池澤夏樹/文 垂見健吾/写真

出版社:文藝春秋

ISBN:416359700X

価格:1,800円(税込)

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レビュアー:渡辺征治(フリーライター)

食味の表現はむずかしい。「とろり」とか「サクサク感」とかは使い古された凡百、奇をてらえばおおげさで一笑。「何とも言えない」では書き手としての芸がない。所詮舌の感覚を言葉で伝えるのは不可能なのだ。との立場をとる著者の見識に同感する。それでは35もの沖縄の食品や食の風景をつづった本書の言葉はどこが魅力なのか。食それぞれの背景に息づく沖縄の風・土・光そのものであり、事実を積み重ねたルポルタージュである点に尽きる。豆腐だけを指さしているのではなく、豆腐を貫いて、にがり成分を得る海を指さす感覚。決して沖縄だけではなく、質実な食には風土がある。東京でも、東北でも、どこにでも。


レビュアーから:宮城県河北町生まれ、現住。地の利で東北一円の森・川・海と農林漁業、そのまわりのゆったりした衣食住をたずねて書く37歳。「木の家に住むことを勉強する本」「季刊 住む。」(農文協)、月刊「家の光」(JAグループ家の光出版局)、地元誌河北新報ほかに執筆。北上川流域の写真とコラムのホームページストリームバンク」公開中。 http://www.streambank.info

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